ある所に、とても仲の良いお尻フェチのダチョウさんとブタさんがいました。
ダチョウさんはとても足が速いです。ダチョウ界のオリンピックがあれば優勝レベルです。
ブタさんは食べることがとっても大好きです。美味しいものに目がありません。
ブタさんのチャーミングポイントは美味しく食べる笑顔とプリっとしたお尻です。
嬉しそうに食べる姿のブタさんは、とってもチャーミングでみんなの人気者です。
ダチョウさんはブタさんのお尻をよく見ていますが、嬉しそうに食べる笑顔も大好きです。
そんな二人は、よく鬼ごっこをしています。。
ダチョウさんはとっても足が速いので、ブタさんは追いつけません。
ブタさん「ねえねえねえ。ダチョウさん足が早すぎるよ。僕もダチョウさんに追いつけるようになりたいよ。」
ダチョウさん「なんたって、僕は足が細くて長いからね!」
ブタさん「僕もダチョウさんみたいになれるかな…?」
ダチョウさん「もっと痩せたら速くなるかもね!ブタさん遅いから鬼ごっこも飽きちゃったよ。」
ブタさん「そっか……」
それからというもの、ダチョウさんに内緒でブタさんはトレーニングを始めました。
ブタさん「はあはあはあ。ブヒヒブヒ。」 走り抜けます。
トレーニングの効果もあってか、ブタさん、足が速くなり大満足の結果です。
ブタさん、トレーニングするにつれて、からだもスリムになり、どんどん痩せていくことが楽しくなってきました。
足が早くなったことが嬉しくて、ブタさんは村に行ってみました。
村を歩けばブタさん。たくさんの友達がいます。
しかし、足が速くなった姿のブタさんに気づく者はいません。
ブタさん「やあヤギさん!久しぶりだね!」
ヤギさん「どちら様でしょうか?」
ブタさん「何言っているんだよ。ブタだよ!ブヒヒブヒ!」
ヤギさん「はあ……(あんな知り合いいたかな?ブタさんの真似でもしているのかな)。人違いではないですか?」
ブタさん「どうしちゃったんだよ…どうして僕に気づいてくれないの…」
ブタさんはたくさんの友達に声をかけますが、誰も気づいてくれません。
ブタさん「みんな何で僕のこと知らないふりするんだよ…そうだ!ダチョウさんに会いに行ってみよう!ダチョウさんなら僕って分かるよね!」
コンコンコン(ノックする音)
ブタさん「ダーチョーウーさーんー。こーんーにーちーはー。ブヒ。」
ダチョウさん「ブタさん?久しぶりだね!最近こないと思ったら…」 ガチャリ(ドアが開く音)
ダチョウさん「(いや、誰。誰。え。誰?ブタさんなん?)……」
ブタさん「久しぶり。久しぶりに一緒に鬼ごっこしようよ!」
ダチョウさん「えっ。うん…。(本当にあのブタさんなんだ…)」
ブタさん「よーーーーーーーーーーいブヒ!!!!」
いつもの合図で二人は走り出しました。
ダチョウさん「なってこったい。とんでもなく速いじゃないの…」
ブタさん「どう?すごいでしょ?ブヒヒ。」
ダチョウさん「そうだね。すごく足速くなったんだね。でもびっくりしたよ。」
ブタさん「ダチョウさんにどうしても追いつきたくってさ。それにダチョウさん言ったじゃないの?痩せれば速くなるって!」
ダチョウさん「えっ。僕が言ったからなの? (僕のせいでこんなに痩せてしまって…)」
ブタさん「そうだよ!でもさ、足が速くなって村の友達が誰も気づいてくれないんだ。僕そんなに変わったかな?」
ダチョウさん「うん。すごい変わったよ。僕も最初はブタさんだって気づかなかったもん。ほら、この全身鏡見てみてよ。」
ブタさん「全身鏡?そんなもの見てどうする…え!!!!これって僕なの?こんなに痩せ細ってしまったの…」
ブタさんは以前の面影がありません。チャーミングポイントのお尻もありません。
ダチョウさん「僕が言った言葉のせいでごめん。悪気はなかったんだ。」
ブタさん「何言ってるの!ダチョウさんは悪くないよ!僕が勝手にトレーニングして痩せただけなんだから。それにこんなに足も速くなったしね!」
ダチョウさん「でも!!誰にも気づいてもらえなかったんでしょ?」
ブタさん「それはそうだけど、痩せたことと何か関係があるの?」
ダチョウさん「それはブタさんが痩せてしまって、誰も気づかなかったんだよ。」
ブタさん「そうだったんだ…」
ダチョウさん「好きなご飯も我慢したんじゃないの?」
ブタさん「うん。実はかなりダイエットしたんだ。」
ダチョウさん「僕は前の嬉しそうにいっぱい食べて、プリっとしたお尻のブタさんが大好きだよ。」
ブタさん「今の僕は嫌い…なの…?」
ダチョウさん「そうじゃない!そうじゃないよ。でも嬉しそうに食べる君がとても大好きなだけなんだ。」
ブタさん「ダチョウさん…」
トボトボ歩いて家に帰るブタさん。
ブタさん「僕はダチョウさんと一緒に鬼ごっこしたくって、足が速くなりたくって。最初はそれだけだったんだ。どんどんからだが軽くなって、それが楽しかったし嬉しかった。でも。今の僕に気づいてくれる人はいない。それはとっても寂しい。」
ブタさん「ダチョウさんは、よく食べる僕が好きって言ってくれた。僕も食べることが楽しかった。痩せて足が速くなって、鬼ごっこは楽しいよ。でもみんなが気づいてくれない。僕はこれからも、この姿のままでいいのかな?」
それから、ブタさん。
美味しいものを食べて、すぐ元の姿に戻りました。
村にいくと、みんなブタさんに気づいてくれます。
ヤギさん「ブタさん!久しぶりだね!今日も笑顔が素敵だね!そういえば、この前ブタさんの真似している人がいたよ。」
ブタさん「(それ僕のこと!)そうなんだ。僕は目立つからかな。はは。」
ひっそり物陰からブタさんを見つめるダチョウさん。
ダチョウさん「よかったブタさん。元の姿に戻ってくれて。やっぱり君は今の君がとっても素敵だよ。」
ダチョウさん「ブタさーーーーん!今日も鬼ごっこしようよ!」
ブタさん「負けると思うけどいいかい?」
ダチョウさん「足が遅くたって、ブタさんが負けたって、僕は君の笑顔とお尻が大好きだよ!」
おしまい